令和の苦言愚言(6)【読書ノート】デフレの中でインフレ対策を叫ぶ愚

Facebookで4月28日に取り上げましたが、改めてこちらの【読書ノート】でも。
「奇跡の経済教室 【基礎知識編】」中野剛志・著、KKベストセラー

本著では、まず、デフレとインフレとは逆の現象だから、その対応も逆になるという至極当たり前の指摘をしています。
構造改革、グローバリズム、小さな政府、移民政策、緊縮財政、増税はインフレ時にこれを抑えるための対策なのに、デフレの今。それをやろうとしている。まさに「デフレの中でインフレ対策を叫ぶ」だと解説してくれます。そのような政策が、結果(データ)から、失敗であることは明らかなのに、同じ過ちを繰り返し、国民を不幸にしてきたのです。

今こそ、デフレ対策が必要であることに国民が目覚めて、政治家が本来の使命を果たすことが大事だと思います。だからあえて「財政赤字の拡大」をしなくてはいけないということです。
個人的には、ハイパーインフレになれるものならなってみろ、通貨の信認をなくせるものならなくしてみろ、と極論を言いたくなります。(なるはずないけど)

それもこれも、私たちがこれまで信じてきた(信じさせられてきた)貨幣感が間違っているということに原因しています。
貨幣=現金(紙幣、硬貨)と考えがちですが、それが実は違うんだという話。
日銀が現金紙幣(これも実は日銀の借用証書)を印刷して市中に解き放つよりも多く、貨幣は誰かが借入することで生まれる銀行預金の方がはるかに多いのです。
そうやって何もないところから生まれた預金で支払いをすると、貨幣が世の中で回り始めることになります。国債も同じです。国債を発行し、それを担保にして得た日銀当座預金で政府が支払いをすると、最終的には個人や企業の預金が増えことになります。

前に取り上げたMMT(現代貨幣理論)は政治的意図はない、単なる事実を説明した理論であるとのこと(三橋貴明氏、以下もそう)。
①自国通貨建ての国債は、デフォルトしない(デフォルトするのは外貨建て国債のケースだけ)から政府は財源の心配をする必要はない。
②国債を発行して国民を幸せにする財政出動の制約となるのは供給能力だけ(それ顧みずに政府が支出を続ければ極端なインフレになるので、そこにコントロールが必要)
③政府の支出(負債)は民間の収入(資産)であり、国債発行により民間に預金が生まれる。

これらから導かれるのは、金融緩和以外の様々な政策(やってこなかったことも含めて)すべて逆のことをやればいい、ということになります。

Facebookにも書きましたが、主流派経済学に毒された人たち、毒された主流派経済学者からご説明を受けた政治家・官僚たちは見向きもしないでしょうから、経済学を学んでいる人、これから経済学を学ぼうとする人、そして経済学とは縁遠かった(私のような)有権者に読んでもらいたいと思います。