令和の苦言愚言(9)【読書ノート】公益民主主義とナショナリズム

島倉原(はじめ)・著「MMTとは何か 日本を救う反緊縮理論」を読みました。
何度かこのブログでも取り上げたMMT(現代貨幣理論)の本格的入門書ということですが、入門書というよりも本格的ですね(笑:ちょっと難しかった)。

でも最後にちゃんとまとめとして、
●日本や米国のように通貨主権を有する国=政府(通貨発行権があり、かつ、変動相場制を採用している国)はデフォルトのリスクはない。
●政府にとって税金は財源ではなく、国債は資金調達手段ではない。通貨発行が先にあり、徴税も国債購入もあと。
●政府は最後の雇い手として、就業保証プログラムにより物価安定と完全雇用を達成しうる。
とMMTのビジョンを簡潔に伝えてくれてます。(文言若干変えています。解釈が間違っているようでしたら文責は私)

主流派経済学(政治家、財務省、経済学者、マスコミの多く)の伝える「国の借金」が根本から間違っていること、債務残高増による「金利上昇リスク」「インフレ圧力」がこの20年間の事象からしても完全に間違えていること、それは貨幣に対する認識、理解が決定的に誤っているからということを改めて理解しました。
また、MMTの理論だけでなく、そこから導かれる政策論と日本への処方箋も解説してくれています。

「税金が先ではなく貨幣供給が先」、「政府の赤字増(減)は民間の資産減(増)」、「財政支出の限界はインフレ(供給能力)」とかは改めて認識(確認)しましたが、「社会保障料の徴収や法人税は悪」という話は初めて知り、納得しました。

そのうえで、税金というものについて以前ここでも書いた、「税金が財源でないとすると国民の納税意欲はどうなる?、政治家や公務員に威張れなくなる?」という疑問には[公益民主主義]という新たな物語で解決するべきとされていました。(と私は解釈しました)
MMTによると、税金の主目的は「貨幣を動かす」ことにあり、そのほかに「通貨の購買力の安定=インフレ制御」、「所得と富の再分配」、「悪い行動を抑える」、「特定のサービスのコストの負担」という目的もあるということです。
これらの目的を理解しつつ納税するということは、[公益民主主義]の背景には(当然に)国家というものがあり、国民に相互扶助の精神や一体感、言い換えるとまさにナショナリズムが必要だということになるのではないかと思います。