令和の苦言愚言(13)【読書ノート】財政赤字の神話 MMTと国民のための経済の誕生(ステファニー・ケルトン著)

どう考えてもこの理論は正しい。
「借金は悪(に違いない)」、「返さねばとんでもないことになる(はず)」、「子どもたちにつけを回すことになる(だろう)」がすべて間違いであることを明らかにしてくれている。

「政府が課税によって経済から吸い上げる金額よりも支出する金額のほうが多いと、政府は『財政赤字』を出したと言われる。憂慮すべき事態に思えるかもしれないが、政府が赤字を出すのは悪いことではない。
財政赤字とは、経済の非政府部門の『黒字』を別の言い方にしただけだ。これは政府から支払いを受ける側の国民や企業にとっては好ましい話で、これほど多くの人や企業が生計の維持や存続に苦労している時期ならなおさらだ。」

「私が懸念しているのは、日本が巨額の赤字を出し続けることでも、先進国最大の政府債務を抱え続けることでもない。政府が過去の過ちを繰り返し、景気回復が本格化する前にその勢いをくじくことだ。そうした事態は過去に何度も起きている。この誤った思考に基づいて、日本政府は1997年、2014年、2019年に消費税率を引き上げた。そのたびに消費支出は急激に落ち込み、売り上げは急減し、経済はマイナス成長に陥った。新型コロナを別にすれば、この先数カ月および数年の日本経済にとっての最大の脅威は、こうした政策の失敗が繰り返されることだ。
というのも実際には先に挙げた増税は、国の財政の安定化にいっさい必要がな かったからだ。いずれも誤った事実認識に基づいており、経済に破壊的影響を及ぼした。端的に言えば、財政赤字の神話に基づいていたのである。」

我が国の供給能力(国民の生産諸力)が壊れる前に、一人でも多くの国民がこの事実に気づくことが大事である。

「国の借金ではなく政府による貨幣発行(国民側への供給)」、「機能的に財政を運営することが国民を豊かにする」、「間違った認識による財政支出の削減がかえって子どもたちにつけを回している」ことを理解しなくてはいけない。
そして、この危機の時代、国は国民すべてを救う必要があることを声を大にして言い続けないといけないと感じた。

怒りと拒否反応を恐れずにひとことで言えば、「いい加減、気づけよ!」。