年: 2019年

令和の苦言愚言(9)【読書ノート】公益民主主義とナショナリズム

島倉原(はじめ)・著「MMTとは何か 日本を救う反緊縮理論」を読みました。
何度かこのブログでも取り上げたMMT(現代貨幣理論)の本格的入門書ということですが、入門書というよりも本格的ですね(笑:ちょっと難しかった)。

でも最後にちゃんとまとめとして、
●日本や米国のように通貨主権を有する国=政府(通貨発行権があり、かつ、変動相場制を採用している国)はデフォルトのリスクはない。
●政府にとって税金は財源ではなく、国債は資金調達手段ではない。通貨発行が先にあり、徴税も国債購入もあと。
●政府は最後の雇い手として、就業保証プログラムにより物価安定と完全雇用を達成しうる。
とMMTのビジョンを簡潔に伝えてくれてます。(文言若干変えています。解釈が間違っているようでしたら文責は私)

主流派経済学(政治家、財務省、経済学者、マスコミの多く)の伝える「国の借金」が根本から間違っていること、債務残高増による「金利上昇リスク」「インフレ圧力」がこの20年間の事象からしても完全に間違えていること、それは貨幣に対する認識、理解が決定的に誤っているからということを改めて理解しました。
また、MMTの理論だけでなく、そこから導かれる政策論と日本への処方箋も解説してくれています。

「税金が先ではなく貨幣供給が先」、「政府の赤字増(減)は民間の資産減(増)」、「財政支出の限界はインフレ(供給能力)」とかは改めて認識(確認)しましたが、「社会保障料の徴収や法人税は悪」という話は初めて知り、納得しました。

そのうえで、税金というものについて以前ここでも書いた、「税金が財源でないとすると国民の納税意欲はどうなる?、政治家や公務員に威張れなくなる?」という疑問には[公益民主主義]という新たな物語で解決するべきとされていました。(と私は解釈しました)
MMTによると、税金の主目的は「貨幣を動かす」ことにあり、そのほかに「通貨の購買力の安定=インフレ制御」、「所得と富の再分配」、「悪い行動を抑える」、「特定のサービスのコストの負担」という目的もあるということです。
これらの目的を理解しつつ納税するということは、[公益民主主義]の背景には(当然に)国家というものがあり、国民に相互扶助の精神や一体感、言い換えるとまさにナショナリズムが必要だということになるのではないかと思います。

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習志野商工会議所建設業部会視察研修に参加しました

12月4日(金)に実施された習志野商工会議所建設業部会の視察研修に参加しました。
今回の台風・集中豪雨で(遅ればせながら)その減災の機能=洪水調節がクローズアップされたダムの例として「二瀬ダム」と、地域産業振興の成功例として「兎田ワイナリー」を見学に秩父まで行ってきました。

説明いただいた国土交通省関東地方整備局二瀬ダム管理事務所の皆様、兎田ワイナリーの皆様、ありがとうございました。

また、参加された皆様、行き帰りとも渋滞で大変でしたがお疲れさまでした。

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南房総市で開催された第31回ちば地図展に参加してきました

11月24日(日)に南房総市の千倉漁港で開催された「南房総産業まつり」に第31回となるちば地図展が出展しましたので、参加してきました。

前日夜には南房総市に大雨警報が発令されて心配しましたが、準備が終わるころにはすっかり晴れ渡り、11月とは思えない暖かい陽気でした。

災害関連のパネル展示、映像の上映、距離あてゲームなどが行われました。

南房総市と姉妹都市である習志野市の産品も。

法被がお似合い!(すみません、隠し撮りでした)

前泊したホテルの窓から。
屋根にかけられたブルーシートがまだ痛々しいです。一日も早い復興を祈念いたします。
でも、南房総市の皆さんはとても元気でした。

鹿児島市で開催された第71回中小企業団体全国大会に参加してきました

11月7日(木)に鹿児島県鹿児島市の鹿児島アリーナで開催された第71回中小企業団体全国大会「新時代の幕開け 団結でひらく 組合の未来 ~時空を超えて 舞台は鹿児島から~」に千葉県測量設計補償協同組合の代表3名の一員として参加してきました。
本大会は、毎年一回、全国の組合の代表者と傘下の中小企業が一堂に会し、その決意を表明するとともに、国等に対して中小企業振興施策の拡充と強化を訴え、組合組織を基盤にした中小企業の安定的な振興発展を目的に開催されているものです。

大会には全国の中小企業団体の代表など約3,000人が参加、経済産業大臣政務官をはじめとする祝辞、議事(議案審議・意見発表・決議)、優良組合や組合功労者などの表彰式とつづき、大会宣言で閉幕しました。

大会終了後に見物した桜島、噴火に遭遇しましたが、今年129回目(!)ということで地元の人たちは何事もないかのように過ごしていました。【追記:このあと130回目の噴火があり噴煙は5500mまで上ったそうです】

翌日は熊本市に移動して、熊本城と阿蘇山周辺の復興状況を視察しました。

震災で大きな被災をうけた阿蘇神社。

阿蘇山も小噴火中、警戒レベル2ということで中岳山頂までは行くことができずに草千里からの見物でした。

台風15号、19号と21号に伴う豪雨と、千葉県も含む関東から東北にかけて大きな被害を受けました。
熊本地震で被災した同地方も復興を着実に進め、街もにぎやかになってきていますが、まだまだ地震の爪痕は残っています。

災害は日本列島の宿命です。この自然との闘いは終わることはありません。
気象の変化が言われていて災害の規模も大きくなっていますし、街が発展し便利になるにつれて新たな被害(千葉での長期のライフライン損傷など)も発生しています。
自然との闘いが終わることがないということは国土の強靭化に終わりがないことです。
それは、万一の災害発生時に復旧復興にあたるインフラ関連業界(私たち建設関連業だけでなく電気・ガス・水道・鉄道等や自治体の体制も含め)がこれ以上毀損されるないようにしなければいけないことも意味しています。

改めてそんなことを感じました。

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