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令和の苦言愚言(11)【時事】コロナウイルス禍に思う_2

新型コロナウイルス感染被害が拡大している中、4月7日は政府が緊急事態宣言を発しました。
4月8日から5月6日までの期間で千葉県を含む7都府県を対象としているこの宣言により、蔓延防止のために様々な措置が法律に基づき要請(指示)及び土地や建物、医療用機器や薬品までも収用?可能となります。

前回にも記しましたが、感染による国民の生命健康被害を可能な限り低くするための自粛要請事態に問題があるとは思いませんが、自粛による経済被害についての対策があまりにも少なすぎる、そのことが問題です。

これに対して政府は自称108兆円の経済対策をまとめましたが、その中で新規の国債発行は16.8兆円に過ぎないとのことです。GDPが最低でも1割(55兆円?)以上棄損されるといわれているなか、それを補填する金額が16.8兆円とは。残りの90兆円超は融資であったり、既に支出が決まっていた項目を経済対策とラベルを張り替えただけです。それを「GDPの2割に相当する経済対策です!(きっぱり)」というのは良く言って誤魔化し、悪く言えば詐欺的な言質です。
マスコミもこれをそのまま報道している(当然ほとんどの国民が読むとは思えない小さな活字で理解しにくい表現で「内訳は・・・」と書いてるのでしょうが)ことも問題です。

政府は、国は、すべての国民を救えるのです。
・企業に正規雇用されている人については、企業に「所得を補償」して雇用と給与を保証してもらう。
・正規雇用でない人、失業者、年金生活者、主婦や子どもたち、制起用されている人も含め住民票のある人には一律の給付金(10万円ならとりあえず1年間毎月とか)を支給して生活を維持してもらう。(やりすぎだったら来年度末に企業を通じてでも確定申告を通じてでも回収すればいい。)
・それが行き届かないホームレスなど住所のない人も含め全国民や全企業に行き届く政策として消費税を0にする。

何よりも大切なのは「皆さんの生活は国が守ります」、「だから安心して休んでください」と、嘘の数字ではなく正味の国債発行額を含めてコミットメントすることだと思います。

国の責務は国民を守ること、これに尽きます。行政が硬直化しているならば政治に要求すること、これはまさしく国民の権利です。このことに遠慮する必要はありません。(財源でないとしても)税金を納めてきたのは、このような緊急事態の時に国民を救ってもらうための保険である、ともいえると思います。

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令和の苦言愚言(10)【時事】コロナウイルス禍に思う

新型コロナウイルス(武漢ウイルス、COVID-19)が世界中に広がり、我が国でも国民の生命、健康に対する深刻な事態となっていますが、自粛に伴う経済的な被害そしてそれによる失業、倒産廃業、自殺なども懸念されます。

医療の専門家ではないので、人々の動きをできるだけ止めて感染拡大を防ごうという手法自体を批判するつもりはありません。しかしながら、問題は「自粛による経済的被害」です。
言い換えると、未知のウイルスとの戦いが試行錯誤にならざるを得ないし、批判は事後的にはできるでしょう。確かに、武漢での発症が公表された時点、封鎖された時点あるいは中国が外国への団体旅行禁止した時点での、外国(特に中国)からの人の流れを止めなかったことは問題です。ただ、それは済んだ話です。

問題は、これからの被害をどう防ぐかです。前述のとおり、初動の失敗を受けたうえで現在実施されている自粛について批判する立場にありません。しかし、企業人として、自粛=経済活動の停止・縮小に対する政策はどう見ても間違っているように思えます。確かに、世界中に疫病が蔓延して「第2次世界恐慌」となっているなか、我が国経済が大幅に減衰していくことはやむをえませんが、その幅をできるだけ小さくすることはできます。

1.通貨発行権を持つ国が自国通貨建ての国債で破綻することはない
2.国債の発行と財政出動は国民への貨幣供給である
3.徴税は国民から貨幣を奪い取る(貨幣量を調整する)行為である

これらの基本的なことを理解しないことによる間違った経済政策で、国民が経済的被害を受けて失業・倒産廃業という形で、生産能力を毀損することと生存が脅かされることが問題です。防げるのに防げない、その理由が経済や貨幣に対する間違った理解によること、さらにはこれまでの間違った理解に基づく経済政策を間違いと認めたくないという「見栄」にあることが大問題だと思います。

つづく

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北海道公費解体視察研修?に行ってきました

後から報道を見ると新型コロナウィルスのクラスター発生震源地の感のある「さっぽろ雪まつり2020」最終日に合わせて、北海道公費解体視察研修に、ちば測協有志で行ってきました。
(1か月たっても誰も発症していないので大丈夫でしょう、ということで投稿します。)

写真だけ見ると相変わらず食べてばかりに見えますが。

千葉県内も台風15号の強風とその後の19号・21号関連の豪雨浸水による被害で、県内各地で公費解体関係業務を実施しています。研修資料のご提供・ご指導いただいた株式会社タナカコンサルタントの堀内社長((一社)日本補償コンサルタント協会北海道支部)に感謝いたします。大変有意義な研修となりました。

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令和の苦言愚言(9)【読書ノート】公益民主主義とナショナリズム

島倉原(はじめ)・著「MMTとは何か 日本を救う反緊縮理論」を読みました。
何度かこのブログでも取り上げたMMT(現代貨幣理論)の本格的入門書ということですが、入門書というよりも本格的ですね(笑:ちょっと難しかった)。

でも最後にちゃんとまとめとして、
●日本や米国のように通貨主権を有する国=政府(通貨発行権があり、かつ、変動相場制を採用している国)はデフォルトのリスクはない。
●政府にとって税金は財源ではなく、国債は資金調達手段ではない。通貨発行が先にあり、徴税も国債購入もあと。
●政府は最後の雇い手として、就業保証プログラムにより物価安定と完全雇用を達成しうる。
とMMTのビジョンを簡潔に伝えてくれてます。(文言若干変えています。解釈が間違っているようでしたら文責は私)

主流派経済学(政治家、財務省、経済学者、マスコミの多く)の伝える「国の借金」が根本から間違っていること、債務残高増による「金利上昇リスク」「インフレ圧力」がこの20年間の事象からしても完全に間違えていること、それは貨幣に対する認識、理解が決定的に誤っているからということを改めて理解しました。
また、MMTの理論だけでなく、そこから導かれる政策論と日本への処方箋も解説してくれています。

「税金が先ではなく貨幣供給が先」、「政府の赤字増(減)は民間の資産減(増)」、「財政支出の限界はインフレ(供給能力)」とかは改めて認識(確認)しましたが、「社会保障料の徴収や法人税は悪」という話は初めて知り、納得しました。

そのうえで、税金というものについて以前ここでも書いた、「税金が財源でないとすると国民の納税意欲はどうなる?、政治家や公務員に威張れなくなる?」という疑問には[公益民主主義]という新たな物語で解決するべきとされていました。(と私は解釈しました)
MMTによると、税金の主目的は「貨幣を動かす」ことにあり、そのほかに「通貨の購買力の安定=インフレ制御」、「所得と富の再分配」、「悪い行動を抑える」、「特定のサービスのコストの負担」という目的もあるということです。
これらの目的を理解しつつ納税するということは、[公益民主主義]の背景には(当然に)国家というものがあり、国民に相互扶助の精神や一体感、言い換えるとまさにナショナリズムが必要だということになるのではないかと思います。

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